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GL日本皮膚科学会皮膚真菌症診療ガイドライン2019
治療のポイント
・皮膚・粘膜カンジダ症の治療の基本は外用であり,有効な抗真菌薬の連日1~2回の外用でおおむね2週間以内に治癒させることができる.
・再発を防ぐには,患部を清潔に保ち,できるだけ乾燥させることが重要である.
・患部が広範囲な場合や,炎症症状が強い場合,カンジダ性爪囲爪炎,爪カンジダ症には内服が用いられる.
◆病態と診断
A病態
・カンジダ属真菌は消化管,粘膜,皮膚に常在する真菌で,これによって引き起こされる代表的な感染症が皮膚カンジダ症と口腔・外陰部の粘膜カンジダ症である.
・カンジダ性間擦疹,カンジダ性指(趾)びらん症,乳児分芽菌性紅斑,カンジダ性爪囲爪炎,爪カンジダ症,鵞口瘡(口腔カンジダ症),外陰腟カンジダ症,カンジダ性亀頭炎・亀頭包皮炎などの病型がある.
・糖尿病,膠原病,HIV感染症,血液疾患,免疫抑制薬・生物学的製剤の使用歴がある場合には,日和見感染症として好発する.
B診断
・手足の指と指の間や皮膚のくびれ部分,絆創膏や衣服などに覆われて高湿度状態の部分に,正常な部位と境界がはっきりした紅斑,びらん,薄い膜状の鱗屑が現れる.小膿疱が特徴的で,薄い膜状の鱗屑と多発する小膿疱が揃う患者では,見た目だけで容易に本症を疑うことができる.
・病巣の鱗屑や膿疱の一部を採取して顕微鏡で調べ,仮性菌糸や密生する分生子が確認できれば本症と診断される.
・爪カンジダ症など,白癬との鑑別が難しい場合は真菌培養が行われる.
◆治療方針
カンジダ症に類似する鑑別疾患は多いため,誤診を避けるためにも治療開始前に真菌検査は必ず行うようにする.
A皮膚カンジダ症
Px処方例 下記のいずれかを用いる.
!不適切処方 ブテナフィンクリー