診療支援
治療

卵巣過剰刺激症候群
ovarian hyperstimulation syndrome(OHSS)
岡田英孝
(関西医科大学主任教授・産科学婦人科学)

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治療のポイント

・リスク因子を把握して,OHSS発症の予防に心掛ける.

・発症抑制の薬物療法および血液濃縮に対する対症療法を行う.

・中等症以上ならびに妊娠例は厳重に管理し,改善しない場合は高次医療機関での管理を考慮する.

◆病態と診断

A病態

・OHSSは,不妊治療の調節卵巣刺激による医原性疾患である.自然発症はきわめてまれである.

・多数の卵胞発育による卵巣腫大と,全身における毛細血管の透過性亢進を伴う.

・重症例では多臓器不全や血栓症などの危機的状態に陥る可能性がある.

B診断

・不妊治療中に,腹部膨満感,腹痛,嘔気・嘔吐,呼吸困難などの自覚症状があれば,OHSSを疑う.

・日本産科婦人科学会のOHSS重症度分類に従い,自覚症状,胸腹水の程度,卵巣径,血液所見から,軽症,中等症,重症OHSSと診断する.

◆治療方針

 OHSSの発症予防と対応のため,リスク因子を把握する.リスク因子として,多嚢胞

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