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治療のポイント
・リスク因子を把握して,OHSS発症の予防に心掛ける.
・発症抑制の薬物療法および血液濃縮に対する対症療法を行う.
・中等症以上ならびに妊娠例は厳重に管理し,改善しない場合は高次医療機関での管理を考慮する.
◆病態と診断
A病態
・OHSSは,不妊治療の調節卵巣刺激による医原性疾患である.自然発症はきわめてまれである.
・多数の卵胞発育による卵巣腫大と,全身における毛細血管の透過性亢進を伴う.
・重症例では多臓器不全や血栓症などの危機的状態に陥る可能性がある.
B診断
・不妊治療中に,腹部膨満感,腹痛,嘔気・嘔吐,呼吸困難などの自覚症状があれば,OHSSを疑う.
・日本産科婦人科学会のOHSS重症度分類に従い,自覚症状,胸腹水の程度,卵巣径,血液所見から,軽症,中等症,重症OHSSと診断する.
◆治療方針
OHSSの発症予防と対応のため,リスク因子を把握する.リスク因子として,多嚢胞性卵巣症候群,若年,やせ,抗ミュラー管ホルモン高値,OHSS既往,hCG投与,妊娠などが挙げられる.
軽症例には水分摂取を励行させ,中等症以上ならびに妊娠例は厳重に管理する.重症であれば,高次医療機関で入院管理する.
A発症・重症化予防
患者背景ごとに個別化した排卵誘発法を選択する.高リスク例と判断したら,一般不妊治療では,hCG投与を中止する.生殖補助医療(ART:assisted reproductive technology)では,hCG投与を減量・延期,あるいは代替手段としてGnRHアゴニストの使用,新鮮胚移植のキャンセルなど,予防策を講ずる.
1.薬物療法
ARTにおける採卵後の高リスク例に投与する.
Px処方例 下記1)に,必要に応じて2),または3)を併用する.重症例には1)~3)を併用する.
1)カベルゴリン(カバサール薬)錠(0.25mg) 1回2錠 1日1回 採卵日から7~8日
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