診療支援
治療

避妊法
contraception
岩瀬 明
(群馬大学大学院教授・産科婦人科学)

GLOC・LEPガイドライン2020年度版(2021)

ニュートピックス

・緊急避妊に係る診療については,産婦人科医または厚生労働省が指定する研修を受講した医師が初診からオンライン診療を行うことが許容されうると示されている.

治療のポイント

・受診者のリプロダクティブヘルス/ライツの視点に立って最適な避妊法を選択する.

・それぞれの治療の禁忌および慎重投与症例に該当しないか確認する.

・理想的な使用と一般的な使用で失敗率(妊娠率)が異なることを説明する.

・緊急避妊薬の処方にあたっては,緊急避妊法の適正使用に関する指針を遵守する.

◆病態と診断

・経口避妊薬は,排卵抑制・頸管粘液性状変化・子宮内膜変化作用により避妊効果を発揮する.子宮内避妊用具(IUD:intrauterine device)/子宮内黄体ホルモン放出システム(IUS:intrauterine system)では物理的な着床抑制作用に加え,銅イオン付加IUDでは銅イオンの受精卵に対する作用が,IUSでは黄体ホルモンの子宮内膜局所への作用が避妊効果に関連する.

・避妊法の選択にあたっては,確実性,簡便性に加え,副作用,本人の意思だけで実施可能かなどについて考慮する.確実性については,1年間で失敗して妊娠する確率(パール指数)で評価されるが,これは理想的な使用と,飲み忘れを含む一般的使用で異なる.経口避妊薬では前者が0.3,後者が9とされている.

・IUD/IUSでは子宮形態異常や性器感染症などが,経口避妊薬では血栓症(既往含む),血管病変を伴う糖尿病,35歳以上で1日15本以上の喫煙などが禁忌症例に該当する.

・緊急避妊法は,避妊法が使用されなかった場合のほか,経口避妊薬内服1週目の3錠以上の飲み忘れ,IUD/IUSの脱出,コンドームの破損などの際にも使用を考慮する.

◆治療方針

A経口避妊薬

 エチニルエストラジオールとプロゲスチンの配合

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