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GL産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2023
治療のポイント
・月経の人工移動には月経を遅らせる方法(延長)と早める方法(短縮)がある.
・エストロゲン・プロゲスチン(EP)配合薬やプロゲスチン製剤が用いられる.
・一般に月経延長・短縮どちらも服用後2~5日後に消退出血を生じる.
・自費診療となる.
・ホルモン剤による嘔気,頭痛,乳房痛,うつ,静脈血栓症などの副作用・合併症などに留意する.
・妊娠の可能性のある場合,授乳中,術前4週以内は原則処方を控える.
◆病態と診断
・月経随伴症状を認めなくても,抗癌薬投与中の血小板減少による多量出血予防などの医学的理由,試験や旅行などの社会的理由で月経周期を調節することがある.
・月経周期の調節には,主にエストロゲン・プロゲスチン(EP)配合薬(経口避妊薬を含む)が用いられる.月経短縮法と延長法があり,それぞれ薬剤の開始のタイミングや投与期間などが異なる.ホルモン剤には,副作用が認められるが,禁忌や慎重投与症例に留意しながら処方する.
◆治療方針
A月経の短縮法
月経周期を短縮するには月経周期の3~5日目から10日間以上EP配合薬を投与する.通常は,中止した2~5日後に消退出血が起こる.低用量EP配合薬の場合,服用期間が2週間より短いと消退出血が来ないことがある.
Px処方例 下記のいずれかを用いる.
1)ノルゲストレル・エチニルエストラジオール(プラノバール薬)配合錠 1回1錠 1日1回 月経3~5日目より10~14日間 定時に内服保外
2)デソゲストレル・エチニルエストラジオール(マーベロン28薬)錠 1回1錠 1日1回 月経3~5日目より14日間 定時に内服保外薬価基準未収載
B月経の延長法
前周期あるいは月経終了直後までに受診した場合,卵胞期初期までに服用を開始させる方法と黄体期から服用させる方法がある.排卵後は内因性ホルモンの分泌が起こ