頻度 あまりみない
GL子宮体がん治療ガイドライン2023年版
ニュートピックス
・子宮平滑筋肉腫の一部でBRCA2の体細胞変異が報告され,PARP阻害薬に関する医師主導治験(JGOG2052)が進行中である.
◆病態と診断
A病態
・子宮に発生する間葉性悪性腫瘍で,子宮体部原発悪性腫瘍の4~9%とされる.平滑筋肉腫,低異型度内膜間質肉腫,高異型度内膜間質肉腫,未分化肉腫に大別される.
・一般に予後不良であるが,まれな腫瘍のために臨床試験の実施が困難であり,標準治療は確立されていない.
B診断
・内膜組織診では病理学的診断が困難な場合が多いため,針生検を行う場合がある.
・子宮筋腫の臨床診断で手術を行い,術後の病理組織学的検索によって初めて肉腫と診断される場合がある.
・MRIによる術前評価で悪性の推定が可能な場合がある.
◆治療方針
A初回治療
手術療法により腫瘍の完全摘出を目指す.基本術式は子宮全摘出術+両側付属器摘出術であり,血行性転移が主体であることからリンパ節郭清を行う意義は少ない.術後薬物療法は進行例に対して考慮するが,Ⅰ期症例に対する有用性は確立していない.薬物療法としては抗癌薬が主体であるが,ホルモン受容体陽性例についてはホルモン療法が考慮される.
Px処方例 術後療法として1)を用いる.低異型度内膜間質肉腫に対しては2)が考慮される.
B切除不能例・再発治療
初回治療ではドキソルビシン注が第1選択である.2次治療以降については下記の薬剤