頻度 よくみる
治療のポイント
・手術療法・薬物療法の選択は基本的には非妊時と変わらない.
・従来は開腹手術が優先されたが,現在は腹腔鏡下手術も選択される.
・妊娠に伴う母体の生理的変化と,疾患が母体胎児に及ぼす影響も考慮する必要がある.
Ⅰ.子宮筋腫
◆病態と診断
A病態
・妊産婦の高齢化に伴い,頻度は増加しつつある.
・妊娠期間を通じての子宮筋腫のサイズの変化については一定の報告はない.
・子宮筋腫の合併により,妊娠中の合併症(流産,早産,前期破水,常位胎盤早期剥離,子宮内胎児発育不全)や分娩時の合併症(胎位・胎勢の異常,帝王切開,分娩時異常出血)の頻度が増加する.これらの頻度は,子宮筋腫径が5cm以上,容積として200cm3 以上の場合にさらに増加する.
・妊娠中,10%以上の妊婦に筋腫の変性に伴うと考えられる筋腫部位に一致した疼痛,下腹部痛を認め,CRPの上昇を伴う.痛みは1~2週間持続し,鎮痛のために