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治療のポイント
・羊水量異常を認めた場合はその原因と病態を評価し,病態に応じた治療を行う.
・羊水量異常では胎児異常(形態異常や染色体異常など)を合併することがあるため,適切な施設との連携を行う.また,胎児治療が可能な疾患も存在する.
・羊水過少は胎児の健常性との関連が高い.また,分娩時の臍帯圧迫による臍帯血流障害の可能性を念頭におく.
◆病態と診断
A病態
・羊水量の異常は羊水産生(排尿)と羊水吸収(嚥下)・消失(破水)の不均衡により生じ,羊水過多と羊水過少に分類され,その原因は多岐にわたる.
1.羊水過多
・羊水過多の原因は羊水産生過剰と吸収障害の2つに分類される.
・羊水産生過剰の病態としては,高浸透圧性利尿(母体糖尿病など),高拍出性による尿量増加(胎児貧血,胎児血管腫,胎児腫瘍性病変など),胎児内分泌疾患(バーター症候群など),双胎間輸血症候群の受血児,胎児表面からの液体成分漏出過多