診療支援
治療

ビタミンK欠乏性出血
vitamin K deficiency bleeding(VKDB)
東海林宏道
(順天堂大学医学部附属順天堂医院先任准教授・小児科・思春期科)

頻度 あまりみない

GL新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症に対するビタミンK製剤投与の改訂ガイドライン(修正版)(2011)

治療のポイント

・すべての新生児にビタミンK欠乏性出血症(VKDB)予防のための適切なビタミンK2 製剤補充を実施すべきである.

・肝胆道系疾患を有する児や早産児はVKDBのハイリスクであることに留意する.

・VKDBが疑われた際には,診断のための検査実施と同時に結果を待つことなくビタミンK製剤を投与する.

◆病態と診断

A病態

・ビタミンKには,植物由来のビタミンK1(フィロキノン)と,主に腸内細菌により合成されるビタミンK2(メナキノン)の2つの形態が存在する.

・ビタミンKの胎盤移行や母乳中の含量はごく少量であり,腸内細菌叢の発達も未熟であることから,新生児期に適切な補充がなされないとVKDBのリスクとなる.

・一方,ビタミンKの腸管からの吸収には胆汁酸が重要な役割を担うため,胆

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