診療支援
治療

脳室内出血,脳室周囲白質軟化症
intraventricular hemorrhage(IVH),periventricular leukomalacia(PVL)
川瀬恒哉
(名古屋市立大学大学院・新生児・小児医学)

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Ⅰ.脳室内出血(IVH)

治療のポイント

・重度IVHへの進展を防ぐための全身管理が重要になる.

・進行する出血後水頭症に対しては,脳室外ドレナージ,頭皮下脳脊髄液リザーバー留置,脳室腹腔シャント術などが必要になる.

◆病態と診断

A病態

・早産児の脳室周囲には,上衣下胚層とよばれる未熟な細胞が集簇する領域が存在する.この領域には血管が豊富に存在しているが,血管支持組織の脆弱性に加え,早産による脳血流自動調節能の未熟性を要因として,出血を起こしやすい.

・上衣下胚層の出血が脳室内に穿破するとIVHとなる.重度のものは,出血後水頭症や,静脈性梗塞による脳実質内出血を伴い,神経発達予後に大きく影響を与える.

・上衣下胚層は在胎26週までは増大し,その後急速に縮小する.したがって,IVHは在胎28週未満の早産児で発症しやすい.また,IVHのほとんどが生後72時間以内に発症する.

B診断

・出血の初

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