診療支援
治療

小児科疾患 最近の動向
齋藤昭彦
(新潟大学大学院教授・小児科学)

◆病態と診断

A小児の新型コロナウイルス感染症2019(COVID-19)と新型コロナワクチン

 COVID-19パンデミック当初は小児の患者数は成人に比べ少なかったが,変異ウイルスの登場により小児への感染が拡がり,特に2022年には変異ウイルスのオミクロン株の流行によって小児患者は著増した.それに伴い,熱性けいれん(特に複雑型)を合併する児の報告が増加し,また,まれだが,脳症,心筋炎などの重篤な合併症例も報告された.さらには,国立感染症研究所からは,61名の小児の死亡例が報告された(2022年12月時点).2023年5月にCOVID-19はこれまでの2類感染症から5類感染症に変更され,以降は感染対策が徐々に緩和された.

 小児に対する新型コロナワクチン(メッセンジャーRNAワクチン)は,その適応年齢が徐々に下がり,2022年1月から5~11歳,2022年10月からは生後6か月~4歳への接種が承

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