医療技術の進歩により先天性心疾患患児の多くが外科手術で救命されるようになり,AED(automated external defibrillator)の普及も相まって,学校での心疾患管理の様相も変化してきた.時代を経ても変わらず重要なことは,安易に運動を制限するのではなく,患児の病状や体調に見合った運動や課外活動を安全に楽しんで行い,有意義な学校生活を送れるよう,医療従事者,両親,学校関係者が協力しあって支援を進めてゆくことである.
一方,運動で病状悪化や突然死をきたしうる一部の疾患,例えば重症先天性心疾患,心筋症,肺高血圧症,致死性不整脈,重度な冠動脈病変を有する川崎病患児などでは,今まで通り厳重な運動制限が必要となる.
学校での生活管理を客観的に示す指標としては,日本学校保健会から学校生活管理指導表(2020年改訂版),および心疾患児用の「学校生活管理指導のしおり」(令和2年度改訂)