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GL潰瘍性大腸炎・クローン病診断基準・治療指針(令和4年度改訂版)
ニュートピックス
・予後不良因子を伴う小児クローン病患者では,通常の治療に加えて時機を逸さずに抗TNF-α抗体製剤を導入することを積極的に検討する.
治療のポイント
・小児期発症の炎症性腸疾患(IBD)は,病変範囲が広く,重症化しやすいことから,治療反応性を見極めながら,必要に応じてすみやかに治療をステップアップする.
・チオプリン製剤の導入にあたっては,NUDT15遺伝子多型の検査を実施して,重度の白血球減少と全脱毛のリスクを評価する.
・生物学的製剤,低分子化合物などの導入にあたっては,小児に対する適応の有無を含め,本人・家族に効果と副作用について詳しく説明して,十分な同意を得ること.
◆病態と診断
A病態
・病因は未だ解明されていないが,遺伝的素因を背景に,食生活を含めた環境因子や,腸内細菌叢などの影響から腸管免疫に