診療支援
治療

学校における腎疾患学童生徒の管理
management of children with kidney diseases in school
高橋和浩
(帝京大学講師・小児科)

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GLエビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023

ニュートピックス

・「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023」(以下,CKD-GL)が刊行され,小児慢性腎臓病(CKD)患者の管理の見直しが行われた.

ポイント

・学校における腎疾患学童・生徒の管理は「学校生活管理指導表(管理指導表)」()に準拠する.

・腎疾患学童・生徒に対する運動制限・食事制限は緩和されてきている.

◆病態と診断

A病態

・学童・生徒の腎疾患は基本的にCKDを構成する疾患で,腎炎・ネフローゼ症候群,先天性腎尿路異常,腎移植後,ループス腎炎のような全身疾患に随伴した腎疾患,ミトコンドリア病のような遺伝子異常症・染色体異常症に起因した症候群を構成する腎疾患が含まれる.

B診断

・学校検尿(,「小児の検尿異常」の項参照)で3次精密検診を受診した場合に学校生活管理指導表を医師が作成し,学校に提出する.

・管理指導表は,何度かの改訂を経て現在は2020年度改訂版が使用されている.管理指導表は小学生用と中学・高校生用の2様式あり,小学生用は学年ごとに分けて記載されているのに対し,中学生・高校生用は1枚の指導表に集約されている.

◆治療方針

 学童期・思春期における体育や部活動の禁止といった過度の運動制限や,画一的な蛋白・塩分の摂取制限は,発達期にある児童生徒の体と心に悪影響を与える危険性がある.管理指導表作成にあたっては,運動や食事の不必要な制限を行わないよう,配慮する.

A学校生活

 日本学校保健会は,「学校検尿のすべて」を発刊し,自宅や学校などでの管理・指導の目安を提示してきた.学校検尿を経て学校での運動や行事で管理が必要とされた学童・生徒に対し,主治医は指導区分を決定して管理指導表を作成する(指導区分は病状により適宜変更).指導区分は,以下のA~Eの5段階に設定されている.

・A:疾患が活動性で自宅または入院加

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