頻度 よくみる
GL熱性けいれん(熱性発作)診療ガイドライン2023
治療のポイント
・熱性けいれんは,「主に6か月から5歳までの乳幼児において,38℃以上の発熱に伴って起きる発作性疾患で,中枢神経感染症,代謝異常,その他明らかな原因のないもの」をいう.
・急性期はジアゼパムないしミダゾラム静注で治療し,予後は良好である.
・反復例はジアゼパム坐薬で予防し,頻発例には抗てんかん薬内服を検討する.
◆病態と診断
A病態
・「主に6か月から5歳までの乳幼児において,38℃以上の発熱に伴って起きる発作性疾患で,中枢神経感染症,代謝異常,その他明らかな原因のないもの」である.
・原因は中枢神経系抑制ニューロンの未熟性に起因し,基本的に年齢依存性(6か月から5歳まで)で予後良好である.
B診断
・けいれん症状,臨床経過,薬剤反応性より熱性けいれんを診断する.
・臨床的特徴として,①発熱を契機として発症する,②強直けいれんや焦点発作の症状を呈する,③比較的回復がよい,④しばしば家族歴を有する,などがある.
・このなかで,複雑型は①焦点発作,②15分以上持続する発作,③同一発熱機会で24時間以内に複数回反復する発作を1つ以上もつものをいい,1つもなければ単純型という.
◆治療方針
熱性けいれん治療の目的は,①けいれんを早期に収束させ,身体を正常な状態に戻すこと,②けいれんを予防して本人・家族の負担を軽減し,健やかな社会生活につなげること,である.熱性けいれんは年齢とともに減少するため,不必要な検査や治療を避けるようにする.
A熱性けいれんの治療
急性期には経静脈的にジアゼパム(0.3~0.5mg/kg/回)ないしミダゾラム(0.15mg/kg/回;1mg/分速度)を投与する.経静脈的投与が困難なときはジアゼパム坐薬(0.4~0.5mg/kg/回),けいれん重積時にはミダゾラム口腔用液(1回につき1歳未満は2.5mg,