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GLてんかん診療ガイドライン2018
治療のポイント
・発症年齢,発作型,脳波所見,併存症状などから,可能であればてんかん症候群の診断を行ったうえで治療を行う.
・てんかん症候群の診断(可能であれば),発作型,薬剤の副作用などを考慮し薬剤を選択する.
・治療は単剤治療が原則で少量から漸増する.
・生活指導として,発作が起こった際のリスク回避について,保護者や児(学童期以上)と相談をする.また,保育園や学校などの集団生活や,予防接種などでの注意点などもよく説明しておく.
◆病態と診断
A病態
・てんかんは神経ネットワークの病的な興奮により,けいれんや意識障害などの発作を反復する病態である.
・幼児期から学童期に発症するてんかんのなかには,一定の年齢になると発作が起こりにくくなる自然終息性(良性)のてんかん症候群が存在する.
・乳児期や幼児期早期に発症するてんかん症候群のなかには,ウエスト症候群のような精神発達遅滞なども併存する発達性てんかん性脳症があり,薬剤抵抗性を示しやすい.
・幼児期のけいれんの原因として熱性けいれん(生後6か月~5歳で中枢神経感染などを伴わない38℃以上の発熱に伴う)の頻度が高いが,一般にてんかんには含まれない.
B診断
・発作時の症状などからてんかんが疑われた場合には,脳波検査を行うとともに,例えば失神や不整脈などの可能性も考慮して鑑別を行う.なお,てんかん患者でも20~30%はてんかんを疑わせる所見を認めない場合があり,一方でてんかんではない熱性けいれんなどの児でも,脳波異常を認める場合があることが知られており,解釈には注意する.
・全般発作(強直間代発作,ミオクロニー発作,欠神発作など)なのか焦点発作(焦点起始両側強直間代発作含む)なのかを総合的に判断することは,薬剤選択の際に有用である.
・発症年齢,てんかん発作の型,脳波所見や頭部画像所見,併存する神経症状など