頻度 よくみる
治療のポイント
・基礎疾患を見逃さないようにする.
・1歳6か月で有意語なく言語指示に従えない,3歳で二語文なく簡単な質問に答えられない場合は精査を依頼する.
◆病態と診断
A病態
・「精神疾患の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)」における言語症は,語彙・構文・話法の習得に基づく言語理解や言語表出の獲得が年齢に対して期待される段階まで達せず,言語の使用に持続的な困難があり,コミュニケーションや社会活動に制限をきたす状態を指す.
・従来は表出性言語発達遅滞(理解はよいが発語が遅れる)と受容-表出混合性言語発達遅滞(理解・発語とも遅れる)に分類されていたが,DSM-5から単一分類に改められた.ただし,下記1)~4)の疾患による場合は言語症と診断しない.
1)聴覚障害:伝音性難聴は外耳や中耳における音振動の伝達の障害で,外耳道閉鎖や耳小骨奇形などの先天異常,中耳炎などが原因となる.感音性