診療支援
治療

ドライアイ
dry eye disease
天野史郎
(お茶の水・井上眼科クリニック・院長(東京))

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GLドライアイ診療ガイドライン(2019)

GLマイボーム腺機能不全診療ガイドライン(2023)

ニュートピックス

・ジクアホソルナトリウムに1日3回点眼の製剤が登場し,患者の負担の少ない治療が可能となった.

治療のポイント

・点眼治療が中心となるが,ドライアイのサブタイプを鑑別し,それを考慮して処方を行う.

・スクリーンタイムを減らすなど,生活習慣の改善を指導する.

◆病態と診断

A病態

・「涙液の安定性低下」と「瞬目時の摩擦亢進」が病態の中心である.それらを引き起こす上流のリスク因子としては,涙液水分の分泌減少,マイボーム腺機能不全(MGD:meibomian gland dysfunction),眼表面炎症,瞬目減少,喫煙など多数ある.

B診断

・以下の2つを有するものをドライアイと診断する.

1)不快感,視機能異常などの自覚症状

2)涙液層破壊時間が5秒以下

・さらに涙液層破壊パターンを観察することで,涙液減少型(line break,area break),水濡れ性低下型(spot break,dimple break),蒸発亢進型(random break)の3つのサブタイプのいずれであるのかを鑑別する.

・涙液分泌量の補助診断としてシルマーテスト(5mm以下が異常)を行う.

◆治療方針

 ドライアイのサブタイプに応じた治療を行う.

A涙液減少型ドライアイの治療

Px処方例 1)を用いる.重症度に応じて1)に2)~4)を適宜併用する.

1)ジクアホソルナトリウム(ジクアス)LX点眼液 1回1滴 1日3回 点眼

2)ヒアルロン酸ナトリウム(ヒアレイン)点眼液(0.1%) 1回1滴 1日4回 点眼

3)ホウ酸・無機塩類配合剤(人工涙液マイティア)点眼液 1回1滴 1日4回 点眼

4)自覚症状と角結膜上皮障害が強い場合に涙点プラグ挿入

B水濡れ性低下型ドライアイの治療

Px処方例 1)または2)か

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