診療支援
治療

眼内腫瘍
intraocular tumors
藤本雅大
(京都大学臨床准教授・眼科学)

頻度 あまりみない

治療のポイント

・転移性脈絡膜腫瘍では,介入の遅れで不可逆的な視力低下をきたす.一方,放射線治療の合併症に重度の角膜上皮障害もあり,治療時期の検討が時に重要である.

・脈絡膜悪性黒色腫の治療には眼球摘出術と放射線治療があり,生命予後に差はない.

・眼内リンパ腫に対してメトトレキサートの硝子体内投与は有用だが,中枢神経病変の出現を予防する効果はない.

・網膜芽細胞腫では早期発見,早期治療により眼球温存が可能となる.

◆病態と診断

・転移性脈絡膜腫瘍は乳癌,肺癌による血行性転移が大部分を占める.眼底検査,光干渉断層計検査,蛍光眼底造影検査を行って,臨床診断を行う.

・脈絡膜悪性黒色腫はメラノサイトが癌化した脈絡膜腫瘍である.各種眼科検査,造影MRI検査を行い,総合的に臨床診断する.血行性に肝転移することが多いため,胸腹部の画像検査が必要である.

・眼内リンパ腫では癌化したリンパ球が網膜や網膜

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