診療支援
治療

外リンパ瘻
perilymphatic fistula
佐々木亮
(弘前大学大学院准教授・耳鼻咽喉科・頭頸部外科学)

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GL急性感音難聴診療の手引き 2018年版

ニュートピックス

・従来客観的な診断方法に乏しかった外リンパ瘻において,外リンパ特異的蛋白診断マーカーであるCTP(cochlin-tomoprotein)による診断法が開発され,2022年7月に保険収載された.

治療のポイント

・経過中に変動する難聴,めまいなどを認める場合には本疾患を疑う.

・丁寧に問診することによって外リンパ瘻発症の原因・誘因がわかることがある.

・確定診断および治療に関しては専門医の診察が必須である.

・瘻孔は自然閉鎖することもあり,保存的に治療を行うことが一般的である.

・症例によっては手術により瘻孔の閉鎖を試みる.

◆病態と診断

A病態

・外リンパ瘻は内耳リンパ腔と周囲臓器の間に瘻孔が生じ,めまい,難聴,耳鳴,耳閉感,自律神経症状をきたす疾患である.

・瘻孔は内耳窓,骨折部,炎症などによる骨迷路破壊部,奇形などにより生じる.

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