診療支援
治療

下咽頭癌
hypopharyngeal cancer
折田頼尚
(熊本大学大学院教授・耳鼻咽喉科・頭頸部外科学)

GL頭頸部癌診療ガイドライン2022年版

治療のポイント

・近年,早期発見された表在癌症例に対して経口腔的に切除する方法が普及し,再発・治療後残存症例に対してもまず経口腔的切除が可能か検討されるようになった.

・喉頭温存のために化学放射線療法(CRT:chemoradiotherapy)が行われることが多い.CRTでは根治が期待できない症例や誤嚥性肺炎のリスクが高い症例には,喉頭全摘も含めた手術を選択する.

・進行下咽頭癌は気道狭窄をきたすおそれがある.初診時から治療に至るまでの間こまめに咽喉頭をチェックし,必要性があれば気管切開を行う.放射線療法(RT:radiation therapy)を行う場合,治療開始後に気道狭窄をきたすおそれのある症例に対しては,照射設定を治療開始後に変更しなくてもよいようにあらかじめ予防的に気管切開を行うこともある.

・病変の進行度,患者の年齢,全身状態,社会的背景など

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