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GL頭頸部癌診療ガイドライン 2022年版
治療のポイント
・多数を占める声門癌の初発症状は嗄声であり早期発見されやすい.一方,2番目に多い声門上癌では嗄声が初発症状になる症例は約半数であり,進行したあとに咽頭痛,嚥下時痛,頸部腫瘍などでみつかることも多い.
・重複癌のリスクが高いため全身検索が必要である.
・治療のポイントは,予後の改善と発声機能の維持である.
◆病態と診断
A病態
・喉頭は咽頭と肺をつなぐ発声器官で,声門上部,声門,声門下部の3つの亜部位に分けられる.そのため予後の改善とともに発声機能の温存が重要な目標になる.亜部位別では声門癌が65%を占め,次いで声門上癌が30%,声門下癌が数%である.
・日本での罹患率は人口10万対年間4.1例,死亡率は0.6例で年々死亡率は低下している.
・声門癌は比較的早期に嗄声によって発見されることが多い.
・圧倒的に多い病理組織型は扁平上皮癌