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治療のポイント
・純音聴力検査と語音弁別検査の双方を用いて評価を行う.
・治療開始前後に耳鼻咽喉科医による外耳,中耳の疾患の有無の評価が重要である.
・高度難聴の補聴器装用効果は個人差が大きく,補聴器適合検査で装用効果を確認しながら調整を行う必要がある.
・補聴器装用効果が十分でない場合は,人工内耳装用を検討する.
◆病態と診断
A病態
・高度難聴は平均純音聴力閾値が70dB以上の状態を指す.
・難聴は外耳,中耳が障害される伝音難聴,内耳,中枢聴覚路が障害される感音難聴,両者の要素を含む混合性難聴に分類され,いずれも高度難聴になりうる.
・伝音難聴には,慢性中耳炎,真珠腫性中耳炎,耳硬化症,中耳奇形,外耳道閉鎖症などがある.病変が内耳に及ぶ場合,感音難聴も生じて混合性難聴となる.
・感音難聴は,内耳障害を認める内耳性難聴と,聴神経や聴皮質を含む中枢聴覚路障害を認める後迷路性難聴(聴神経腫瘍,皮質