診療支援
治療

先天性鼻咽腔閉鎖不全症
congenital velopharyngeal incompetence or insufficiency(CVPI)
齋藤直樹
(ARS DENTAL CLINIC・院長(愛知))

治療のポイント

・正常な言語獲得のためには,低年齢時の早期発見,早期治療が不可欠である.

・口腔内診査と,音声言語の聴覚判定が大切である.

・疑問に思ったら専門医に対診する.

◆病態と診断

A病態

・先天性鼻咽腔閉鎖不全症とは,明らかな口蓋裂がないにもかかわらず,開鼻声や声門破裂音といったいわゆる口蓋裂言語を主症状にもつ疾患の総称である.

22q11.2欠失症候群は先天性鼻咽腔閉鎖不全を高率に合併することが知られている.

・その他の臨床症状として低身長,合併症として心臓疾患,知能発達の遅れがある.

B診断

1.音声言語の聴覚判定

・聴覚的に,開鼻声や呼気鼻漏出による子音の歪み,構音障害(鼻咽腔閉鎖不全に関連する子音の弱音化,声門破裂音,咽頭破裂音,咽頭摩擦音)の有無を判断する.

2.吹き出し検査

・顔の前にティッシュを置き,息を吹きかけてティッシュが動くかどうかを見る.鼻息鏡があれば呼気鼻漏出の程度を測定する.

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