診療支援
治療

口腔ケアと喫食
oral care and eating
吉見佳那子
(東京医科歯科大学・摂食嚥下リハビリテーション学)

A口腔ケアのポイント

1)口腔内細菌は肺炎発症に関与する.

2)肺炎発症予防には,口腔ケアと義歯管理が有効である.

3)口腔の状態が食事や栄養管理に影響する場合がある.

4)栄養管理では,口腔内のトラブルがないか,口腔機能と食事の形態が合っているか,といった視点での評価が重要である.

5)看護師,介護者のみでの口腔ケアが困難な場合は,歯科専門職と連携し口腔管理をすることが望ましい.

B喫食に影響する口腔のサイン

 口の痛みや歯の動揺をきっかけとして食事量が減少することがある.また,義歯の適合が悪い,破損したままになっている,歯が欠損しているが義歯を使用していない,などの理由で咀嚼機能が低下している場合がある.

 口腔の運動機能が低下すると唾液の分泌量が減少し,著しい口腔乾燥を認めることがある.加齢や薬剤の副作用なども口腔乾燥に影響し,さらなる口腔衛生状態の悪化や口腔運動の妨げにつながる.

 特に重度の嚥下障

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