Aがんの軌道学
終末期の疾患軌道は大きく4つに分けられる(図).
予兆なく突然亡くなる突然死パターン,急性増悪と寛解を繰り返しながら徐々に機能が低下していきどこかで死を迎える慢性臓器不全パターン,徐々に全身状態が悪化して死に至るフレイルパターンと異なり,がんの場合は比較的ADLが保たれたのち,最後の1~2か月で急速に身体機能が低下し,衰弱が進行して死に至る.
がんの場合は,ある程度の病期までは介助の必要なく1人で生活ができること,ADLが低下して介護を必要とする期間は限定的であることを意味している.在宅で最期まで過ごすことを選ぶ場合,この終末期の機能低下の時期をいかに支えるかが重要な鍵となってくる.死亡数日前から死亡直前までは,せん妄,喘鳴,不規則な呼吸,尿量減少などが共通して起こり,これは疾患による大差はない.
がん終末期患者を在宅で看取る場合,介護サービスや訪問看護の調整を病状の進行に