診療支援
治療

輸液療法(皮下輸液,IVH,薬剤投与を含む)
infusion therapy in home medical care
長谷川太郎
(湘南おおふなクリニック・院長(神奈川))

治療のポイント

・在宅輸液療法の実施機会は,①退院時からの中心静脈栄養(TPN:total parenteral nutrition),②熱中症・嘔吐など補液が必要な場合の末梢静脈栄養(PPN:peripheral parenteral nutrition),③終末期における皮下輸液に大別される.

・患者の病態把握のみならず,入院元の医師・看護師・薬剤師や訪問看護師・訪問薬剤師との連携が大切となる.

・在宅医には,看護師に対する指示方法や自宅で用いることが可能な輸液製剤に関する知識も必要となる.

A中心静脈栄養(TPN)

1.適応

 原疾患にかかわらず,腸管大量切除例あるいは腸管機能不全例であってTPN以外に栄養維持が困難な場合.

a.連携

 病院においてTPNが導入された場合,可能な限り退院前カンファレンスを実施する.患者・家族の理解度を考慮し,退院後はすみやかに訪問看護師と訪問し手技の確認を行うことが望ましい.薬局については,厳格な電解質などの組成管理を要しない限り,高カロリー輸液用キットを用いるため,無菌調剤室を有する薬局に限定されない.輸液ポンプの選択は,当院では訪問看護師の慣れを重視しカフティーポンプを用いている.

2.診療報酬

a.在宅中心静脈栄養法指導管理料(3,000点)

 在宅中心静脈栄養法を行っている入院中の患者以外に対して,在宅中心静脈栄養法に関する指導管理を行った場合に算定.

b.在宅中心静脈栄養法用輸液セット加算(2,000点)

 輸液セットは,チューブセット,三方活栓,延長チューブ,輸液バッグ,フーバー針を含む.輸液セットを7組以上用いる場合には,6組目までは輸液セット加算に含まれるので,7組目以降について特定保険医療材料として算定する.輸液セットは院外処方も可能であるが,その場合「輸液セット加算」は算定できない.

c.注入ポンプ加算(1,250点)

 輸液ポンプを使用した場

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