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治療のポイント
・原因を丁寧に鑑別し,それに応じた治療と予防策を立てる.
・嫌気性菌をカバーした抗菌薬の必要性は,患者背景,口腔衛生状態,肺膿瘍や壊死の有無から判断する.
・食事調整や嚥下訓練,口腔ケア,薬物調整,栄養療法,理学療法,意思決定支援を含めた包括的アプローチが肝要である.
◆病態と診断
A病態
・誤嚥性肺炎は,口腔内の微生物を気道へ誤嚥することで生じる.
・嚥下障害や喀出困難をきたす基礎疾患,口腔衛生状態不良,全身衰弱があると,繰り返しやすい.
B診断
・明確な診断基準はない.「成人肺炎診療ガイドライン2017」では,「ADLや全身機能の低下,特に脳血管障害を有する場合に認められやすい嚥下機能障害を背景に起きる肺炎」と説明され,誤嚥のリスク因子と,誤嚥による肺炎のリスク因子が掲載されているので参照のこと.
◆治療方針
誤嚥性肺炎の繰り返しには背景因子があるため,抗菌薬治療だけではなく