A地域密着型サービスの概要
介護保険サービスには居宅サービス・施設サービス・地域密着型サービスがあり,合わせて26種類がある.地域密着型サービスは2006年の介護保険制度改正により創設され,高齢者の生活を住み慣れた環境のなかで支えていき,介護サービスも地域に根ざしたものを提供すべきという考えから開始された.居宅・施設サービスと違い,原則的に居住地域の市町村で提供されるサービスしか利用できない.
B地域密着型サービスの種類
地域密着型サービスは要介護者が対象で,10種のサービスがある.次にそれぞれの特徴を示す.
1)定期巡回・随時対応型訪問介護看護:定期的な巡回や随時通報への対応など,心身の状況に応じ24時間365日必要なサービスを必要なタイミングで柔軟に提供する.介護と看護の一体的なサービス提供を受けることが可能.1人で生活する時間が長い患者など頻繁に人の目を入れたいときに有用.
2)小規模多機能型居宅介護*(以下,小多機),
3)看護小規模多機能型居宅介護(以下,看多機):
「通い」「泊まり」「訪問介護」を柔軟に利用でき,看多機では身体状況に応じて訪問看護も組み合わせて提供され,医療ニーズが高い患者でも必要なケアが受けられる.看多機では薬剤やインスリン・胃瘻・点滴・吸引・カニューレ・カテーテル・ストーマ・褥瘡処置など幅広い医療処置に対応している.定員29人以下で状況を把握したなじみの職員がサービスを提供でき,コミュニケーションや環境変化が苦手な認知症の患者にも対応できる.必要な介護提供と家族介護の負担軽減ができ,在宅の限界点を高めることが可能.家庭的な環境と地域住民との交流のもとで日常生活支援や機能訓練を行うサービス.
4)地域密着型通所介護:こもりきりによる孤立感解消や心身機能の維持,家族介護の負担軽減などを目的とし,定員18人以下のデイサービスで食事・入浴などの日常生活支援,