診療支援
治療

Ⅲ.高齢者に対する医療のあり方
遠藤英俊
(聖路加国際大学・臨床教授)


1.高齢者医療のポイント

1)高齢者の生活を重視した医療

 一般に,療養生活が長引くことなどから,高齢者の医療は,高齢者の生活を支える柱の1つとして提供されることが重要である.そのためには,どのような介護・福祉サービスを受けているかを含め,本人の生活や家庭の状況などをふまえたうえでの医療が求められる.

2)高齢者の尊厳に配慮した医療

 自らの意思が明らかな場合には,これをできる限り尊重することはいうまでもないが,認知症などにより自らの意思が明らかでない場合にも,個人として尊重され,人間らしさが保たれた環境において,その人らしい生活が送れるように配慮した医療が求められる.最近ではACP(advance care planning)の導入が図られたり,国から意思決定支援ガイドラインが示されている.

3)高齢者およびその家族が安心・納得できる医療

 いずれ誰もが迎える死を前に,安らかで充実した生活が送れるよ

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