皮膚外用薬の使い方 | 医学書院

1．副腎皮質ステロイド外用薬

　副腎皮質ステロイド外用薬はその強い抗炎症作用のため，炎症性皮膚疾患に広く用いられる．剤形も軟膏，クリーム，ゲル，ローションなどさまざまなものが存在する．現在，副腎皮質ステロイド外用薬の薬効は血管収縮指数および臨床効果をあわせて評価され，ウィーク，ミディアム，ストロング，ベリーストロング，ストロンゲストの5段階に分類される（表1図）．

　副腎皮質ステロイド外用薬は安易に使用されがちであるが，きわめて薬効の強い製剤を長期に使用した場合，局所皮膚に対する種々の副作用をきたす可能性がある（表2図）．あるいは広範囲に長期間使用した場合，全身的副作用も起こりうる．したがって，副腎皮質ステロイド外用薬を使用する場合は，その薬効の程度をよく認識し，副作用に注意して使用する．

1）副腎皮質ステロイド外用薬の基剤による種類

a）軟膏：刺激性が弱く，湿潤した病巣でも乾燥面でも幅広く用いられる．乾燥病変では単純塗布，湿潤病変では単純塗布のほか，ガーゼにのばして貼付する．

b）クリーム：刺激性があり，びらん面には適応でないが，べとつかず特に夏場では好んで使用される．ただし軟膏と比べ，混在する界面活性剤などによる接触皮膚炎の可能性は高くなる．

c）ローション：主として被髪頭部に使用される．アルコール性基剤のものはさっぱりして使用感に優れるが，びらん面には刺激性がある．

d）ゲル：乾燥病変，被髪頭部に用いる．

e）スプレー：短時間に広範囲に外用でき，主として日焼けや，手の届かない背部への外用の際などに使用する．軽度な乾燥性病変が適応である．

f）テープ：乾燥した肥厚病変に用いる．難治性の結節性病変や角化性病変が適応となる．

g）シャンプー：クロベタゾールプロピオン酸エステルシャンプー（コムクロ薬シャンプー）が頭部の尋常性乾癬および湿疹・皮膚炎に適応がある．頭皮に塗ったあと，15分待って泡立て