診療支援
治療

5.漢方製剤と治則
丁 宗鐵
(日本薬科大学教授・名誉学長)
菊谷健彦
(東戸塚記念病院・麻酔科部長)


1)2剤併用と構成生薬

 漢方製剤は2剤までは併用することがある.ただし,構成生薬が重なる場合には注意が必要である.

 重ならない場合(肝疾患)

  小柴胡湯,桂枝茯苓丸

 重なる場合(気管支喘息)

  小青竜湯,麻杏甘石湯:麻黄が共通に配合


2)生薬末の併用

 人参末,サフラン末,天麻末,大黄末,桂皮末など,多数の生薬末が保険薬価に収載されている.漢方製剤に種々の生薬末を併用する目的は漢方治療の効果を高めるためである.

 癌の術後:補中益気湯 5.0g,人参末 2.0g(分2 食前内服)


 便秘を伴う更年期障害:加味逍遙散 5.0g,大黄末 0.4g(分2 食前内服)


 めまい:苓桂朮甘湯 5.0g,天麻末 2.0g(分2 食前内服)


 腎炎:越婢加朮湯 5.0g,黄耆末 3.0g(分2)


 不眠を伴う認知症:抑肝散 5.0g,遠志末 3.0g(分2)


 アレルギー性鼻炎:小青竜湯 5.0

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