質の高い医療を提供するうえで,診療ガイドラインが重要な役割を果たしていることは,いまや衆目の一致したところとなった.顧みると,厚生労働省の「医療技術評価の在り方に関する検討会」(1996年)および「医療技術評価推進検討会」(1998年)において,evidence-based medicine(EBM)を普及させることが決定されて以降,国を挙げて,「EBMの手順に則った―エビデンスに基づく―診療ガイドライン」が作成されてきた.その成果は,2023年10月26日時点で,日本医療機能評価機構 医療情報サービス事業(Minds)ホームページ上に公開されている最新版ガイドライン本文掲載数が454件を数えるに至っていることに表れている.
A.診療ガイドラインの質
Mindsでは,作成された多くの診療ガイドラインのなかから公開の順序をつける必要があり,Minds内に選定部会が設置され,2か月に1度の選定