診療支援
治療

Ⅰ.ヒト肝チトクロームP450(CYP)代謝酵素とその基質薬物,代謝阻害薬,および代謝誘導(促進)薬・因子
越前宏俊
(明治薬科大学理事・学長)
渡邉裕司
(浜松医科大学理事・副学長)


 薬物相互作用は薬物の吸収,分布,代謝,排泄のいずれの過程でも生じるが,その頻度と臨床的な重要性から考えて最も重要な機序は肝代謝における酵素阻害または誘導反応である.ヒトの薬物代謝には多くの酵素が関係するが,最も重要なものは酸化反応に関係するチトクロームP450(CYP)である.CYPは30種前後の分子種から構成されているが

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