今日の診療
治療

尿閉と無尿
urinary retention and anuria
井ノ上幸典
(新潟市民病院・救命救急・循環器病・脳卒中センター副センター長)

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GL1男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン(2017)

GL2女性下部尿路症状診療ガイドライン[第2版](2019)

治療のポイント

・まず,尿閉と無尿を鑑別する.

・急性尿閉は飲酒や薬剤が誘因となることが多く,導尿や尿道カテーテル留置で対応する.

・尿閉に尿路感染症や高度の血尿,腎後性腎不全を合併した場合は,入院適応である.

◆病態と診断

A病態

・尿閉とは,膀胱内の尿を排出するのがきわめて困難で,多量の残尿(300mL以上が目安)をきたす状態をいう.

・急性尿閉は,排尿困難感,残尿感,尿意切迫感,頻尿などの症状に,膀胱の過伸展による痛みを伴うことが特徴である.85%は男性,そのうち7割は下部尿路閉塞に起因し,女性では排尿筋収縮力低下が6割以上を占めたとする報告がある.救急外来においては,前立腺肥大症や神経因性膀胱を背景に,飲酒,薬剤(抗コリン薬,抗ヒスタミン薬,それらを含む総

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