頻度 あまりみない
治療のポイント
・閉塞性ショック患者の診療においては,その診断と閉塞機転の解除が重要である.
・閉塞機転の解除の遅れは心停止につながる.
・胸部X線や超音波検査など,ベッドサイドで可能な検査で診断をつけることができる.
◆病態と診断
A病態
・閉塞性ショックの状態となる主な病態は,心タンポナーデ,緊張性気胸,肺血栓塞栓である.
B診断
1.肺血栓塞栓
長期臥床という病歴に加えて超音波検査で右心室の拡大,下肢の腫脹.
2.緊張性気胸
先行する胸痛,頸部気管の正中偏位,頸静脈の怒張,呼吸音減弱胸部X線で肺の虚脱.
3.心タンポナーデ
心音の減弱,頸静脈の怒張,心臓超音波検査で心嚢液の貯留.
4.RUSH exam
超音波を用いたショックの系統的な検索プロトコルであり,心嚢液の貯留,右心系拡大(D-shape),下大静脈の拡張,肺のスライディングサイン消失,大腿静脈や膝窩静脈の深部静脈血栓などが閉塞