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◆病態と診断
A病態
・過換気症候群の定義は,「代謝的な要求を超える不適切な分時換気量がもたらす呼吸性アルカローシスが,明らかな臓器障害を伴わずにさまざまな症候をもたらす病態」とされる.呼吸が速いイコール過換気症候群ではなく,確定診断のためには血液ガス所見のほか,臓器障害が存在しないこと,などを示す必要がある.
・過換気症候群の患者背景は,女性に多い,平均年齢36.5歳(20代が最多),約半数に精神疾患(特にパニック症)を抱えている,とされる.これに合わないときは何か隠れているのでは?と疑う姿勢が重要である.
B診断
・明確な診断基準はないが,臨床症状による診断として,①過換気と,これに伴う呼吸困難,四肢のしびれ,動悸などの症状がある,②自然に,または何らかの処置による症状の急速な改善がある,③過換気を生じる器質的疾患の除外,これら3つとも満たすものを疑診とする.
・過換気に陥った理由や