診療支援
治療

集団食中毒(O157を含む)
mass food poisoning
渡邉栄三
(愛知医科大学教授・救急集中治療医学)

頻度 ときどきみる

Ⅰ.総論

ニュートピックス

・厚生労働省による「食中毒統計資料」速報値では,2023年に10人以上の患者が発生した集団食中毒事例は236件(2024年1月29日時点)であり,うち飲食店が最多で143件,次いで給食事業場,旅館,仕出し屋,弁当やパンなどの製造所が多い.調理人を介して,食品から感染する事例が増加傾向にある.一方,2020年からの新型コロナウイルス対策も一因となって食中毒の発生件数は抑制されている.原因として,ウイルスではノロウイルス(163件)が,細菌ではウェルシュ菌,カンピロバクターやサルモネラ菌,病原性大腸菌が多い.

◆病態と診断

・集団食中毒とは,同一の給食や販売される食品,外食など,同一の食物を食べた集団など特定の集団に発生した食中毒のことであり,食品のみならず,添加物,器具,容器,あるいは包装に起因する.

・下痢,腹痛,嘔吐などの消化器症状があり,同じ食事をし

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