頻度 あまりみない
治療のポイント
・全重症胸部外傷の1%にも満たない.
・外傷初期診療のprimary survey(PS)で見落としてはいけない損傷の1つである.
・PSにおいて胸腔ドレナージを実施し,その後に十分な洗浄とデブリードマン,創閉鎖を行う.
◆病態と診断
A病態
・胸部の穿通性外傷は開放性気胸となりうるが,大きさによっては胸壁組織で塞がれる.
・刃物や銃弾,爆発物の破片などにより胸部に気管直径2/3以上の大きな孔が開くと,外気が胸腔内に流入する.気管は直径1.6cm程度の細長い管で,目安としては本人の小指の太さである.
・胸腔内圧は大気圧より低いため外気が流入して患側の肺を圧迫し,肺が膨らまなくなって呼吸ができなくなる.
・開放性気胸の重症度は通常,胸壁に開いた孔の大きさに比例し,直径3cm以上の開放創で致命的となりうる.開放創が大きくない場合でも,吸気時に傷口から空気や血液が吸い込まれる状態