今日の診療
治療

膵損傷
pancreatic injury
安藤恭久
(香川大学・消化器外科学)

頻度 あまりみない

治療のポイント

・循環動態,他臓器損傷や主膵管損傷の評価により治療戦略を決定する.

・非手術治療後に状態が悪化した場合には,手術治療への移行を躊躇しない.

◆病態と診断

A病態

・腹部外傷の2~16%の頻度で,膵損傷の90%以上が鈍的外傷である.

・損傷メカニズムは,受傷による外力で膵が椎体に挟まれ圧挫されることが原因と推測されている.

・膵液の漏出により,周囲の腹腔や後腹膜に強い炎症や自己融解を引き起こす.

B診断

・身体所見:腹部触診で腹膜刺激徴候を評価し,視診によるハンドル外傷の痣やシートベルト痕などを見逃さない.

・血液検査:血清アミラーゼ値は受傷早期では正常値の場合がある.

・腹部CT:循環動態が安定していれば,ダイナミックCTを撮像する.重要となる主膵管損傷の診断率は50~60%程度とされる.

・主膵管損傷診断:主膵管損傷を疑った場合には内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP:endo

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