頻度 ときどきみる
治療のポイント
・一時的ペーシングと恒久的ペーシングがあるが,緊急ペーシングとしては前者が用いられる.なかでも経皮ペーシングが迅速で簡便である.経静脈ペーシングは確実性に優れる.
・症状のある徐脈(意識障害,失神,胸痛,ショックなど)に適用する.
・鎮痛,鎮静を行う.
・高度低体温では心室細動を生じることがあり禁忌である.
◆病態と診断
A病態
・高度徐脈では,意識障害,失神,けいれん,心不全(ショック)などの症状をきたす.
・急性心筋梗塞による房室ブロック,洞徐脈には緊急ペーシングを適用する.
・急性心筋梗塞に関連しないが血行動態が不安定となる徐脈,また徐脈が原因と考えられる不安定な臨床症状をきたす場合にも適用する.薬物の過量投与による徐脈も含まれる.
B診断
・心電図モニタリングを行い,心拍数<40/分や心室停止≧3~5秒で緊急ペーシングを検討する.
◆治療方針
A気道確保要否の判断
高度徐脈