診療支援
治療

大動脈内バルーンパンピング法 [■心肺蘇生・循環系の緊急処置]
☆☆☆
intra-aortic balloon pumping(IABP)
安宅一晃
(奈良県立病院機構奈良県総合医療センター・救急・集中治療センター長)

A原理

 大動脈内バルーンパンピング(IABP)法は,バルーンカテーテルを患者の胸部下行大動脈に留置し,心電図または動脈圧波形に同期させて30~40mL(長さ約200mm)のバルーンを大動脈弁閉鎖時(拡張期開始時)に拡張し,大動脈弁開口直前(収縮期開始時)に収縮させる.拡張期圧上昇による冠動脈血流の増加と,左室の後負荷軽減がもたらされ,心筋への酸素供給の増加と,心筋の酸素需要の軽減が期待できる.

B適応

 適応は急性心筋梗塞における再灌流療法前後,内科的治療の効果がない急性心不全などである.高度の不整脈や極端な頻脈では十分な補助効果が期待できないことがある.さらに,IABPそのものによる心拍出量の増加効果は10%程度しかなく,極端な血圧低下を伴うショック例などには無効である.心原性ショックにおける30日後の死亡抑制を検討したIABP-SHOCK Ⅱ trial(2012)などではIABPの有用性

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら

トライアル申込ボタンを押すとトライアル申込ページに遷移します

トライアルの申し込みが完了しましたら,ライセンス情報更新ボタンを押してください