治療のポイント
・異物による上気道閉塞は救命対応であり,直ちに用手的または喉頭鏡で除去を試みる.
・気管・気管支異物の大部分は,軟性気管支鏡の把持鉗子を使い分けることで摘出できる.
◆病態と診断
・気道異物は物理的な閉塞による呼吸障害に加えて,気道組織の損傷や炎症により出血や肉芽増生を惹起し,末梢側の2次性無気肺や肺炎などを併発する.
・3歳未満の乳幼児に最も多く,次いで70歳以上の高齢者に多い二峰性分布を示す.
・異物の種類は,小児では豆類や小さな玩具が多く,成人では歯冠などの歯科材料,餅・肉類などの食物,PTP(press through package)など多彩である.
・症状としては,突然の強い咳嗽が最も多く,呼吸困難,喘鳴,発熱などがある.気道閉塞により「窒息のサイン」から急激に心肺停止に至る例がある一方で,ほぼ無症状のまま長期間経過後に発見されることもある.
・症状や病歴から気道異物を疑い,迅