救急外来は新型インフルエンザなど新興・再興感染症流行時には受診者の窓口になることが想定される.実際に,2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS),2009年の新型インフルエンザ,2015年の韓国における中東呼吸器症候群(MERS),2020年の新型コロナウイルス肺炎の流行では,救急外来に患者が多数受診し,院内感染の発生も報告されている.救急外来から病棟に入院する患者も生じるため,救急外来の感染対策は病院全体の課題でもある.また,地震などの災害時には避難所でインフルエンザやウイルス性胃腸炎が流行し,患者が救急外来を受診することなども予想される.このような災害時にも感染対策が必要となることがあり,救急外来が重要な役割をもつことを認識する必要がある.
A組織
救急外来は疾患,重症度の多様な患者が受診し,入院が必要な患者の病院における玄関ともなっている.また,災害時や感染症流行時には救急外来が受