診療支援
治療

解熱鎮痛薬中毒(アセトアミノフェン,アスピリン)
antipyretics,analgesics poisoning(acetaminophen,aspirin)
奥田宏純
(南奈良総合医療センター・診療部救急センター)

Ⅰ.アセトアミノフェン中毒

頻度 ときどきみる

治療のポイント

・肝毒性をもつ代謝物質により遅発性の肝障害が起こり,時に重篤化し肝不全となり死亡する.

・解毒薬としてN-アセチルシステイン(NAC)を使用する.

・NACは副作用がほとんどなく肝障害のリスクを下げるのに有用であるとの報告もあるため,リスク患者では積極的に投与を考慮し,適応の場合は服用後8時間以内に開始する.

・単回の過量服用でなくとも,慢性的に治療量を超えて服用することで発症する場合もある.

◆病態と診断

A病態

・アセトアミノフェンは吸収されたのちに肝臓で代謝され,グルクロン酸抱合・硫酸抱合された結果,ほとんどは尿中に排泄される.

・一部(5~15%)はチトクロームP450酵素系(主にCYP2E1)によって酸化され,肝毒性のあるN-アセチル-p-ベンゾキノンイミン(NAPQI)に変化する.

・通常NAPQIは肝細胞内のグルタチオンにより代謝され

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