診療支援
治療

鎮咳薬中毒(ジヒドロコデイン,デキストロメトルファン)
antitussive poisoning(dihydrocodeine,dextromethorphan)
喜屋武玲子
(埼玉医科大学講師・臨床中毒科)

治療のポイント

・呼吸抑制など重篤な症状を呈した場合には,拮抗薬であるナロキソンの投与を考慮するが,効果持続時間が短いことに注意する.

・デキストロメトルファン中毒では,まれにセロトニン症候群が起こる可能性があり,経過観察が必要である.

・デキストロメトルファンにはpoor metabolizerの存在が知られており,少量の服用でも中毒症状が強く出ている場合には注意する.

◆病態と診断

A病態

・ジヒドロコデインおよびその代謝物は中枢神経系にあるオピオイド受容体に特異的に結合し,急性中毒では,中枢神経抑制・呼吸抑制・循環抑制の作用が出現する.

・デキストロメトルファンは,治療量では比較的副作用は少ないが,高用量ではNMDA受容体阻害薬およびセロトニン作動薬として作用し,用量依存性に,多幸感や幻覚,解離状態といった中毒症状を呈する.また,セロトニン症候群の原因となる可能性もある.

・デキストロメトルファンに

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