頻度 ときどきみる
治療のポイント
・催吐および胃洗浄は,口腔・咽喉頭・食道や上気道が腐食性物質に再度曝露されるので禁忌である.
・腐食性物質の経口摂取が疑われたら,摂取後24~48時間以内に上部消化管内視鏡検査を行い,重症度の評価を行う.
・急性期は食道・胃の穿孔,慢性期は狭窄,晩期は食道癌の合併症に留意する.
◆病態と診断
A病態
1.強酸(pH<2)
・トイレ洗浄剤や錆び取り剤に塩酸が,肥料や金属洗浄剤に硫酸が含有されている.
・凝固壊死により血管内血栓と瘢痕組織が形成され,これらが傷害の深層浸潤を抑える.
・すみやかに食道を通過し,胃前庭部に貯留する傾向があり,傷害は食道より胃のほうが強い.
・強酸は非常に苦く痛みを生じるので,小児の誤飲事故では少量経口摂取となる.
2.強アルカリ(pH>12)
・カビ取り剤や漂白剤に含有される水酸化ナトリウムや次亜塩素酸ナトリウムが代表的な強アルカリである.
・組織の蛋白質