頻度 あまりみない
治療のポイント
・まずは診断するために曝露状況,どのような症状があるかを確認する.
・ヒ素中毒が疑われるようなら血液・尿の採取,腹部X線を行い,治療を進める.
・特異的な治療薬であるBAL(British anti-Lewisite)として知られるジメルカプロールが院内にあるかどうかを確認する.
A病態
・ヒ素化合物には有機物・無機物,そして3価・5価のものがある.
・3価のヒ素はスルフヒドリル(SH)基と反応し,酵素系を阻害する.
・5価のヒ素はリン酸と類似していることから,多くの生化学反応でリン酸と置換され,酸化的リン酸化を阻害する.
・可溶性のものは吸ったり,飲み込んだりすることで体内に吸収される.
・無機ヒ素化合物は皮膚や粘膜,消化管,気道に対し刺激性がある.経皮吸収もされる.
・非可溶性のものは吸入後に肺に蓄積し,発癌の危険性が高まるといわれている.
B診断
・一番重要なのは状況証拠で