診療支援
治療

ヒ素中毒
arsenic poisoning
清水弘毅
(地域医療機能推進機構徳山中央病院・救急科主任部長(山口))

頻度 あまりみない

治療のポイント

・まずは診断するために曝露状況,どのような症状があるかを確認する.

・ヒ素中毒が疑われるようなら血液・尿の採取,腹部X線を行い,治療を進める.

・特異的な治療薬であるBAL(British anti-Lewisite)として知られるジメルカプロールが院内にあるかどうかを確認する.

A病態

・ヒ素化合物には有機物・無機物,そして3価・5価のものがある.

・3価のヒ素はスルフヒドリル(SH)基と反応し,酵素系を阻害する.

・5価のヒ素はリン酸と類似していることから,多くの生化学反応でリン酸と置換され,酸化的リン酸化を阻害する.

・可溶性のものは吸ったり,飲み込んだりすることで体内に吸収される.

・無機ヒ素化合物は皮膚や粘膜,消化管,気道に対し刺激性がある.経皮吸収もされる.

・非可溶性のものは吸入後に肺に蓄積し,発癌の危険性が高まるといわれている.

B診断

・一番重要なのは状況証拠

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら

トライアル申込ボタンを押すとトライアル申込ページに遷移します

トライアルの申し込みが完了しましたら,ライセンス情報更新ボタンを押してください