治療のポイント
・タバコ自体を食べた場合は経過観察のみでよいことがほとんど.
・タバコが浸かっていた水や電子タバコ用のニコチンリキッドを飲んだ場合は要注意.
◆病態と診断
A病態
・タバコ中毒の症状は主にニコチンの作用によるもので,自殺目的での摂取や乳幼児の誤食により起きる.
・紙巻タバコ1本に10~30mgのニコチンが含まれ,経口摂取による致死量は乳幼児でタバコ1本,成人では2,3本といわれているが,確立したエビデンスはなく,そのまま食べた場合は8割が無症状である.
・ニコチンは胃の酸性環境では吸収が悪く,嘔吐による排出もあり中毒を起こしにくい.
・タバコが浸かっていた水や電子タバコ用のニコチンリキッドを飲んだ場合は,濃度が高いため注意して経過観察が必要.
・ニコチンが自律神経のニコチン受容体と結合し,神経興奮もしくは神経遮断作用を示す.
・軽症だと顔面蒼白,めまい,発汗,流涎,流涙,嘔吐・下痢,腹痛,頻脈