今日の診療
治療

腸チフス,パラチフス [■3類感染症]
enteric fever(typhoid fever,paratyphoid fever)
大毛宏喜
(広島大学病院教授・感染症科)

頻度 あまりみない

治療のポイント

・薬剤耐性菌が多いため,薬剤感受性結果に基づいた抗菌薬選択の修正が必要である.

・海外のどの地域で感染したかの病歴聴取がエンピリック治療に役立つ場合がある.

◆病態と診断

A病態

・腸チフスはチフス菌(Salmonella enterica subsp.enterica serovar Typhi),パラチフスはパラチフスA菌(Salmonella enterica subsp.enterica serovar Paratyphi A)を原因菌とする.

・その他のサルモネラ属による腸管感染症とは異なり,腸管から血液中に侵入した菌による病態を呈するため,全身疾患ととらえるべきである.

・保菌者の糞便で汚染された水や食物を摂取して感染する.わが国では年間100例未満の発生で,海外からの帰国者が患者の中心であり,輸入感染症として位置づけられている.

・潜伏期は6~30日で,典型

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