頻度 あまりみない(全数把握されており年間数例の報告がある)
治療のポイント
・有効な抗ウイルス薬による治療法がなく,対症療法が中心である.
・ワクチンによる予防が有効で,生後6か月から不活化ワクチンが接種可能である.
◆病態と診断
A病態
・日本脳炎はフラビウイルス科フラビウイルス属に属する日本脳炎ウイルス(JEV:Japanese encephalitis virus)によって引き起こされる疾患である.日本脳炎ウイルスはウエストナイルウイルスや,セントルイス脳炎ウイルス,マレー渓谷脳炎ウイルスと相同性の高い,一本鎖RNA(プラス鎖)ウイルスである.
・日本脳炎ウイルスは鳥やブタ,その他の脊椎動物の間でみられるもので,ヒトには吸血性節足動物である蚊に媒介されて感染する.
・日本脳炎のヒト-ヒト感染はない.ほかの蚊媒介性ウイルスとしてはデングウイルスや黄熱ウイルスがあるが,脳炎を引き起こすものとしては,東